退職手当等に関する税額計算と事務手続きのルールが、2026年1月1日から新しくなりました。今回の改正は、会社側の事務負担が増えるだけでなく、退職金にかかる税額にも直接影響を及ぼします。
今回は、2026年1月からの主な変更点と、実務で気をつけるべきポイントについて解説します。
退職金の勤続期間の重複調整の対象期間が前年以前「4年内」から「9年内」へ
退職金を複数回に分けて受け取る場合(例:iDeCoを受け取った後に、会社の退職金をもらう等)、税金の計算において勤続期間の「重複」を調整する仕組みがあります。今回の改正では、この「調整対象となる期間」が大幅に延長されました。
-
改正の内容
-
2026年1月1日以後に「老齢一時金(iDeCoの一時金など)」を受け取り、その後に他の退職金を受け取る場合、重複計算の対象となる期間が「前年以前4年内」から「前年以前9年内」へ拡大されました。
-
-
注意点と実務のポイント
-
退職所得控除を最大限に活用するためには、iDeCo等の受取から次の退職金まで、以前の「5年」では不十分となり、「10年」の間隔を空ける必要があります。
-
退職金の受給者が、前年以前9年内にiDeCoなどの一時金を受け取っている場合には、退職金にかかる税金の計算が変わるため、注意が必要です。
-
源泉徴収票の提出が「全居住者」へ拡大
これまで、「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票(以下「退職所得の源泉徴収票」)」を税務署および市町村長に提出する義務は、「法人の役員等」に限定されていました 。しかし、生涯において複数の退職手当等を受け取る人が増えている状況などを踏まえ、2026年1月からは提出範囲が拡大されました。
-
改正の内容
-
-
提出範囲が、「法人の役員等」から「居住者すべて(全従業員)」に拡大されました。今後は、役員だけでなく、退職金を支払ったパート・アルバイトを含むすべての従業員について提出が必要になります。
-
-
様式・記載方法の見直し
-
-
老齢一時金に該当する場合は、区分に応じた「番号(2など)」を記載する必要があります。
-
当分の間は、旧様式に新様式の内容(番号等)を追記して提出することも認められています。
-
【参考:2026年分以後の退職所得の源泉徴収票様式】
-
実務上の注意
-
-
eLTAX(電子申告)の環境が整うまでの間、市町村長への提出については省略できることとされています。
-
提出期限については、原則退職後1ヶ月以内ですが、現行どおり翌年1月末までにまとめて提出することも認められています。
-
書類の保存期間が「10年」に延長
従業員から会社へ提出される「退職所得の受給に関する申告書(退職受給申告書)」の保存期間も変更されています。
-
改正の内容
- 退職手当等が「老齢一時金」に該当する場合、保存期間が、従来の「7年間」から「10年間」に延長されました 。
-
適用時期
-
2026年1月1日以後に受け取る退職金に関して提出される申告書から適用されます 。
-
退職金は金額が大きく、税務調査でも非常に注目される項目です。最新のルールに基づいた正しい実務で、会社と個人の資産をしっかり守りましょう。
税務のご相談なら税理士キャシュモにおまかせ
「目まぐるしい法改正のなか、自社が正しく対応できているのか不安……」
「税理士から積極的なアドバイスがなく、節税対策はいつも後手に回っている」
このようなお悩みはございませんか?
税理士法人キャシュモの税務顧問なら、定例会議で法改正を先回りしてご報告&税務相談は回数無制限!
キャシュモグループは税務・労務・財務・経理代行をワンストップでご支援できるのが強みです。
もし税務に限らず、バックオフィス全体でお困りごとがございましたら、ぜひお気軽に無料相談をお申し込みください。

