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中小企業における取締役会の基礎知識!設置・運営に関わるメリット・リスクを徹底解説

作成者: FOLIO|Jan 6, 2022 12:00:00 PM

取締役会とは?

取締役会とは、会社の業務執行の意思決定をする機関です。 取締役会は、株主総会で任命を受けた3名以上の取締役で構成されています。 そして取締役の中から1名「代表取締役」として選ばれた人が社長として会社のトップとなります。 取締役会を設置している会社は、原則として取締役会の業務を監視する監査役を置く必要があります。 現在は、全ての会社において取締役会を設置する義務はありませんが、基本的には取締役会を設置して定期的な株主総会を行う必要があります。 今回は中小企業における取締役会の基礎知識として設置、運営に関わるメリット、リスクを徹底解説します。

取締役会を設置するメリット

取締役会を設置するメリットとしては、迅速な会社経営を行うことができるようになります。 取締役会を設置せずに会社の重要事項の決定を行う場合は、必ず株主総会を開催する必要があります。 しかし取締役会を設置すれば、重要事項の決定の都度、株主総会を開催する必要はなくなります。 そしてもう一つのメリットとして取締役会があると対外的に信用度が高まり、融資や取引において有利になります。

中小企業において設置義務はあるのか?

会社法において、中小企業でも多数の会社で設置義務が定められています。 設置が必要な会社の定義について一度整理しておきましょう。

設置が必要な会社の定義

会社法では、以下のケースについて、取締役会を設置しなければならないと定めています。 ・公開会社 ・監査役会設置会社 ・委員会設置会社 ここで規定されている「公開会社」ですが、これは「上場会社」を指すわけではありません。 会社法上、 「その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社」 のことを公開会社といいます。 したがって、株式の全てに譲渡制限がかかっている会社が非公開会社となり、それ以外の会社は公開会社ということになります。 つまり親族で経営を行っているような場合は、株式に譲渡制限を付しているケースが多く、非公開会社がほとんどです。この場合には、取締役会の設置義務はありません。 もし「公開会社」=「上場会社」だと認識して取締役会を設置していない場合は、早急に対応が必要となります。

決議事項となる項目 

取締役会は、以下の事項その他の重要な業務執行の決定を行います。 以下の事項については、取締役に委任することができない為、必ず取締役会の決議を経なければなりません。 ①重要な財産の処分及び譲受け ②多額の借財 ③支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 ④支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 ⑤社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 ⑥内部統制システムの構築に関する決定 ⑦定款の定めに基づく取締役会決議による役員及び会計検査人の会社に対する責任の免除 そのほか、会社法上、取締役会で決議しなければならない事項が個別に定められています。 よく行われるものとしては以下のような事項が挙げられます。 ・譲渡制限株式の譲渡・承認取得 ・株式分割 ・株主総会の招集に関する事項の決定 ・代表取締役の選任・解任 ・利益相反取引・競業取引の承認

中小企業において取締役会の運営義務はあるのか?

会社法において、中小企業でも多数の会社で運営義務が定められています。 取締役会の運営に関する定義について一度整理しておきましょう。

取締役会の開催頻度

取締役会は、3か月に1回以上は開催する必要がありますので、年間4回は行うことになります。 取締役会の開催時期に決まりはないので、基本的にいつ開催しても問題ありません。

取締役会の招集

取締役であれば、基本的に誰でも取締役会の招集をかけることができます。 つまり代表取締役ではなくても招集をかけることが出来ます。 ただし、定款によって招集の方法に決まりがある場合は、そちらに従う必要がありますので注意しましょう。 また、招集は取締役会を開く日から1週間以上前に行うのが原則ですが、これも定款や取締役会で決定したのであればそのルールに従うことになります。 さらに、取締役の全員の同意があれば、招集の手続きを踏まなくても取締役会は開催できます。 取締役会の開催場所に関する規定はありません。会社ごとに任意の場所で開催できます。

議事録の作成

取締役会の決議には、議事録の作成が義務付けられています。 議事録には取締役会の詳細を記載しておく必要があります。 具体的には、開催日時、開催場所、取締役会の人数、出席者の氏名は必ず記しておきます。 そして、今回の議題や議論の展開、最終的な議決に対して賛成した取締役の氏名、反対した取締役の氏名をきちんと記録しておかなくてはなりません。 また作成した議事録には、取締役と監査役の全員から印鑑を押してもらう必要があります。こうして議事録が完成することで取締役会は終わります。

取締役会の不備が考えられる実例

ここまでお話してきた通り取締役会は、企業における重要事項の意思決定において極めて中心的な重要機関です。 会社法上も、その手続き・内容について様々な規定を定めています。 一方、中小企業では、取締役会を適法に開催しなければならないという意識が低く、法定の手続きに沿って行なわないケースがよくみられます。 今回は、取締役会の運営に関して不備と考えられる実例と法的リスクを紹介します。

不備がある場合の法的リスク

取締役会は会社の意思決定を司る重要な機関の為、もし、開催に不備や不正があった場合、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。 実際の法的リスクとして決定事項が無効になる可能性や多額の損害賠償責任が発生してしまう可能性があります。 例えば、特定の取締役が、自分や第三者の利益の為に、会社の事業に類する取引を行う『競業取引』や、会社と利益が相反する『利益相反取引』を行う際は、特に注意が必要です。 取締役会は、会社の成長・拡大に欠かせない組織ですが、馴れ合いの経営で開催を怠っていると、思いもよらないトラブルが起きてしまう可能性もあるので、以下の様な不備がないように注意しましょう。

取締役会が行われていない

例えば、取締役会を開催していないことが発覚すれば、決定事項が無効になる可能性があります。 その他にも3か月に1回の定期的な開催が行われてないケースも同様に不備の対象となります。 経営に関する重要な決定事項以外にも代表取締役の選任なども取締役会に不備が発覚した場合、無効になる可能性があります。

議事録だけ作成している

また取締役会を開催せずに、議事録だけ作成して書面決議を行う場合も決定事項が無効になる可能性があります。 しかし全てのケースで無効になるわけではありません。 会社法においては、定款に定めることにより、決議事項につき取締役全員の書面や電磁的記録による同意があった場合に、取締役会の決議があったものとみなす制度があります。 取締役全員の同意は、書面または電磁的記録によって行われることが必要です。 電磁的記録とは、具体的には電子メール等による同意のことを意味します。 つまり口頭での同意だけでは足りず、一般的なテレビ会議等とは異なります。 これらのことから取締役会を開催せずに、議事録だけ作成して書面決議で可決することができますが、制度上の注意点をきちんと把握した上で利用するようにしましょう。

今回のまとめ

今回は、中小企業における取締役会の基礎知識として設置、運営に関わるメリット、リスクを解説しました。 設置が必要な定義についての認識に誤りがあったり、運営状況に不備があったりした場合には、会社の経営や信用に大きく影響してしまう為、早い段階で対応するようにしましょう。 取締役会の設置によって迅速な会社経営を行うことができるようになりますので、今後の会社の成長の為にもうまく活用していきましょう。